無病で一生を過ごすために体脂肪、特に内臓脂肪のコントロールが注目されています。
つまり内臓脂肪がつくことによりさまざまな病気を起こし(メタボリックシンドロームとよびます)、動脈硬化、そして心筋梗塞や脳卒中といった病気を次々と引き起こすことがわかってきました。
その体脂肪のコントロールのためには食事と運動のコントロールが不可欠です。
どうしても体を動かす量が減ってしまう現代においては、意識しての運動は欠かせないものとなっています。
メタボリックシンドロームを予防するため、体重を減らすため、体力をつける(維持する)ため、もしかしたら水着が似合うようになるため・・・。運動するにしてもさまざまな目的があり、それに合わせたさまざまな運動があることと思います。
そこで今回、下記のような方のための運動を運動療法として考えたいと思います。
@内臓脂肪がついてきた。メタボリック予備軍といわれた。
A健康診断で中性脂肪や血糖、血圧を注意するようにいわれた
Bメタボリックシンドロームで治療中である
もう少し医学的に書きますと、下記の目的のため、と言えます。
@中性脂肪(TG)を減らし善玉(HDL)を上げる
Aインスリンの働きを活性化し、血糖値を下げる
B高くなってきた血圧を下げる
なにより、普段運動ができない(する時間がない、環境がない、そしてやりたくない)方が、”運動しないと病気になるかも・・・”と気がついた、”運動って何すればいいの?”という時に、読んでいただきたいと思います。
どうしても注意しておかなければいけない点があります。
・症状や薬によって危険伴うこともあり、主治医と相談してから始めましょう。
症状が重症な場合には、運動でかえって体調崩すこともあります。
特に主治医より”無理しないで”といわれている方はよく相談してから始めてください。
・水分の補給は忘れずに!
汗を大量にかくと血がどろどろになることも考えられます。必ず水分は忘れないでください。
ただしスポーツ飲料にはカロリーがあり、注意が必要です(水が一番かもしれません)。
今回の目的のためには、体内に十分な酸素を取り込む有酸素運動が適しています。
息をつめるような無酸素運動は血圧が上昇したり、心臓への負担もあります。
また、無酸素運動は脂肪燃焼などの効果も十分ではありません。
そしてお勧めの有酸素運動とは、早足での散歩や水泳(水中歩行)等の運動です!
ジョギングはひざへの負担が重く、普段運動していない方では膝などの障害が心配です。
準備運動もぜひしましょう。また各所ストレッチする事で疲れも減ります。
早足の目安は”話しながら歩け、うっすら汗をかく程度”です。
ぜひ両手を大きく振りながら歩き(できたら手ぶらで)、20分以上継続しましょう。
シューズは運動しやすく(できたら運動靴)、やや大きめ(長時間で足がむくむため)に履き替えてください。
では、どのくらいの運動をしたら良いのでしょうか?
厚生労働省の”エクササイズ2006”で活動量を独自の単位”Ex”で表し、週23Exを目標としています。
ちなみに歩行は20分で1Ex、早足では15分で1Ex、軽いジョギングや階段上り下りでは10分で1Exです。
週に10Ex(早足で30分、週に5日)以上すれば運動の効果が期待できる、との事です。
以上で運動療法の方向性が見えてきましたでしょうか?
運動療法としては、”大きく手を振りながら早足で30分以上、週に5日以上歩く”と良いようですね。
えっ、この忙しいのにそんなことはできない? 家に帰るともう寝るだけですか?
それなら、日常生活を工夫していくしかないですね。
”毎日早足で30分以上歩くだけ”なんですが、できないものですよね。
帰りが遅かったり、接待(飲み会)だったり、子供がいたり、天気が悪かったり・・・などなどなど
わざわざ時間が取れないときには、日常生活に運動を取り入れていく工夫をしましょう。
では、どんなことで運動が増えるでしょうか。やはり”自分の足で動く”しかありません。そのために
@バス停などは1個手前で降りる:電車でも、わざと遠い駅を利用しましょう。
A階段を歩く:エスカレーターやエレベーターを使っていませんか?運動のチャンスです。
Bコピー等雑用も他人に頼まない:フットワーク軽く動けば、少しでも運動量が増えますよ。
C昼食は少し離れたところで:歩行と同時に、食後の血糖下げるためにも有効です。
D駐車も少し離れたところで:車を利用していると足を使っても運動にはなっていません。
E買い物なども歩いて:できたら片道20分ほどのスーパーへ。ただし重い荷物の時には注意してください。
その他にもいろいろあるはずです。もし良いシーンが思いついたら、ぜひ教えてください。
ただし、どの運動療法でも飽きてくると苦痛に変わるもの。継続するにはまた工夫が必要です。
そのためには、次のようなことを試してみましょう。
@万歩計を身につけ、毎日の記録をつける:一日一万歩を目標に。意外といかないものです。
A運動仲間を作る:おしゃべりしながらだとあっという間に30分たちます。またさぼれない効果も。
Bスポーツ施設を利用:お金を払ったから、効果測定できるから、などがんばる動機にも。
女性では”夜間運動で危険”も考えられるので。
ただし過度な運動になりやすいのは事実。気をつけてください。
以上、参考になりましたでしょうか。お互いにがんばりましょう!!
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